ネットワークコンバージェンス―ルータと交換機のゆくえ (NetComライブラリ)
構成としては、IPを中心としたプロトコルスタック(ARP、RARP、TCP、RTP、RSVP、VoIP)の解説に始まり、その後ATMおよびATM over IPの説明に続きます。このATM絡みの解説が約80ページ続き、最後にWDMとWDM over IPが10ページ強で解説されています。ですから、WDMやWDM over IPの説明を期待して本書を読むと期待はずれに終わります。一方、ATMとATM over IPは、十分な分量を割いて基礎から丁寧に解説されています。
本書には「IP over ATMとIP over WDMのどちらに軍配が上がるかは読者にまかせたい」としていますが、本書の構成上、著者は明らかにIP over ATMに軍配を上げており(あるいは期待しており)、WDMの説明はあまりに少ないです。どちらに軍配が上がるかを評価するだけの十分な情報が読者に提供されていないのが若干残念。
総合すると、IP over ATMとIP over WDMの動向を理解するには適切な入門書だと思います。内容量に対して本がコンパクトな点でも優れています。IP over WDMの解説量を増やして、ギガビットイーサネットなどの新しい動向も加味した続編を期待したいです。