インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門 [ソフトバンク新書]
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インターネット社会と法
■まさに法学入門。素晴らしい一冊! 評価5 日付2008-03-25「ネットワーク」に関する法についての入門書ですが、タイトルに惹かれて手に取った方が一応注意しておいた方が良いと思うのは、本書の内容は個別具体的な法律上の問題や条文の解釈という実定法学的なものではなく、そもそも「法」や「規範」って何?といった疑問から始まる法哲学や法制史等の、基礎法学的なものであるというところです。
つまり、この本を読んでネットワークを使った実生活がガラリと変わる・・・なんてことはまずありません(笑)
ただし、間違いなく面白い本ではあります。
初めの50ページぐらいは「法のねっこ」の解説に割かれていますが、ここを読むだけで一般的な法学部生レベルの基礎法学に関する知識のエッセンスは得られるのではないでしょうか(あくまで個人的な感想です笑)。
また、著者は情報法と知的財産法を専門に研究している学者でありながら、本書はあくまでエッセイであって学術論文用に書かれた文章ではないため、フランクな文体で書かれていて非常に読みやすいです。同じ内容を法学の教科書で学ぼうとすれば3倍は時間がかかるのではないでしょうか。
そんな素晴らしい本が新書で出ているのですから、「新書ブーム」なんてのも捨てたもんではありません。
久しぶりに☆を5つ以上つけたい本に出会いました。
■インターネット社会形成を考える 評価4 日付2007-08-05Hot Wiredの連載はいつも読んでましたが、本になると一気にまとまった感じがします。
文章も軽快で、全体を通してすごくわかりやすかったです。
「法」とは何かというお話も、硬くなく、自然に頭に入ってきます。
インターネットにおける、新しい社会形成において、次のステップを考えるちょっとしたきっかけを与えてくれる本でした。
■タイトルに騙されてはイケナイ。 評価5 日付2007-05-26この本は現行法のインターネット上での適用事例をまとめたものでもなければ、
ネットワークの法整備を求める本でもありません。
作者が学者であることも考えない方がいいと思います。作者自身が「コンピューターオタク」で「変人」と自称していることですし。
肩ひじ張った文体ではなく、話も何度か脱線し、2ちゃんねる的な言説(?)も散見されます。
前半で、法と法律の歴史・成り立ちを英米法と大陸法との対比から、
「法」の「正しさ」の原点は慣習やモラル、文化から生ずると説明しています。
後半では、現実世界の利益代表者(国家権力)が介入してくる前に、
ネットワーク上における紛争や問題の解決するため、
名=固定ハンドルの使用が常識とされる文化を醸成すること、
そしてネット上での人間同士の交流のプロトコル(典礼)の創造することによって
規範、秩序を定着させることを読者に提案しています。
「『なんかヘン』という政治的な問題意識がありながら、政治に対する無関心が広がっていること」
「『なんかヘン』を政治的言説に置き換える力を持った(議論のできる)場をネットに作れるのではないか」
一般的な法律の問題からは少し飛躍的な議論ですが、著者の語る問題や提言に対して納得できる、共感できるところが私にはたくさんありました。
■評価が分かれるのも理解できる 評価5 日付2007-05-09以前から漠然と思っていたことに、かなり明快な「骨組み」を示してもらった1冊です。一時は自分でもこの本のような内容を書きたいと思っていたぐらいですが、門外漢が書くよりも、やっぱり中心的関心を持ち続けている方が書いたほうが、分かりやすくてポイントも的確になっていいですね(笑)。
文体が柔らかなのも、さらっと通読できるという意味では良い印象です。この種の本は、機会があるたび何度か読み返して、自分の思考を固めるような読み方をしたいものですから。
ただ、「ネットという場」そのものの特性に強い関心を持っている私のようなタイプには高評価できる内容も、タイトルを見て「具体的な事例分析」的な本を期待していた向きには「つまならい」と評価されそうな本であることもまた確かです。そういう意味では、読む人を選ぶのかもしれません。
■損した気分 評価1 日付2007-05-08読み始めて5分で、読み辛い、と思った。読んでいる最中は何度も欠伸をかき、読了までひどく時間がかかった。それは決して、僕が法律に明るくないとか、そういう理由ではないと思う。内容がどうこう言う問題ではない。
まず気に入らないのがその文体。内容はもともと著者のブログから来ているという。詳細に丁寧に解説してあってほしいインターネットと法律について、およそ様々な点から解説がなされているのだが、それと驚くほどミスマッチな軽やかでフランクな語り口調。しかも長い文や分かりにくい倒置文も多く、おかげでスムーズに読み進めることができない。これをブログで読むなら、きっと特に問題は感じないだろう。ただ、(加筆などは適宜しているそうだが)書籍向きとは到底思えない。金が勿体ないとすら感じる。
それから、余りにも多い「〜と思う」。著者はまえがきで、本書は「随筆」だと述べているが、それにしたってあらゆることが著者が「思う」ことばかりで、では本当にそうなのか、実際はどうなのか、ということが分からない。読了しても「なるほど著者はこう『思う』らしい」という理解しか残らない。サブタイトルは「かなり奇妙な法学に関する持論」とでもしてほしいぐらいだ。
読了して得た有用な知識というものはあまりない。しかし再読するのは疲れるだけなので遠慮したい。
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