実践!システムドキュメント徹底活用―設計・構築からテスト・運用まで (ネクストエンジニアSELECTION)
他にも抽象論と具体論のバランスが悪いし、話の粒度が揃っていない(本書で紹介されている言葉を使えばパラレリズムが合っていない)。筆者のドキュメント作成能力に疑問を感じる。
例えばP70からP73。
(3)「転記を減らす」は2/3ページで終わり、
(4)「変更しやすく」では3ページ使い、「ドキュメントの変更のしやすさ」と「変更作業のしやすさ」に分けて、Excel の画面イメージ付でシートは分割しない方が一元管理できていいなんて書いてあったり、変更するならテーブル定義書参照ね、とテーブル定義書のサンプルがでかでかと載せている。
そもそも(4)を2項目に分けているにも関わらずそれが小見出しや箇条書きになっていないし、2項目に分ける意味も感じられない。シート分割するなってのもエンジニアなら One Fact in One Place なんて常識だし、変更時にテーブル定義書を参照すればいいって、それで十分だという保証はどう取るというのだろう。
さらに現場で使われる言葉を選ぶなら変更性でなく保守性だ。
(4)で中身のないことにページを裂くなら、(3)でセル参照やマクロを用いた自動転記を紹介しないのは何故だろう。それこそドキュメントを標準化することによる恩恵だというのに。
…と、いうようにツッコミどころ満載。
一般的なドキュメンテーションに関する本や実践性の高い Excel 本、トヨタ生産方式のホワイトカラー適用指南書を選んだ方がよい。
著者自身が、「文書力の3つのポイント」として著していることと矛盾する表現が多い。
例えば、「自動化(ニンベンのある自動化)」という表現の「(ニンベンのある自動化)」の意味はわからなかった。
「レビュー」の意味についても著者の世界での話となっている。
全般的に、著者のかなり偏った知識でもって記述されている。
特に開発工程に関しての説明・表現は不適切で、さらに著者自身の考え方が古い
(著者が著したかったであろう開発工程自体が古いという意味ではない)。
開発工程の各段階で必要となるドキュメントの理想的な記述項目やフォーマットを著したものでもないし、「模倣」する「システムドキュメント」の種類はほんの少数しかなく、「徹底活用」するには無理がある。
著者の部下向けに書かれた書物であろうか。
「有効なドキュメント標準化のしくみ」を持たないシステム関連の企業や部門が標準化を考えるにはかなり具体的でわかりやすいと思います。機能分類(GUI、バッチなど)ごとに用意する設計書を変えるところなどはきっちり納得がいきました。
結構お勧めだと思います。タイトルと内容が違うと感じたので星4つです